第38期東海・中部精神分析セミナー(ハイブリット)のご案内

シニア・コース

『精神分析的臨床で出会う発達障害』
  木部則雄先生6回、平井正三先生・飛谷渉先生・浅田護先生各2回

ジュニア・コース

「精神分析的技法論」
  小泉規実男・早川すみ江・浅井真奈美 

寒冷の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 東海・中部精神分析セミナーは1988年に日本精神分析学会の5年間の後援を得て発足しました。2006年度より日本精神分析学会認定研修グループに<認定番号140308号>認定され、系統講義、症例・事例検討会(シニア・コース)、個人スーパービジョンのマネージメントの機能を担っています。2019年度より、日本精神分析学会認定心理療法士・スーパーバイザー資格を取得するための「訓練スタッフ」制度も独自に開設しています。

今日、深刻な心理葛藤を抱えて精神分析的臨床に訪れてはいても、ASDなどの発達特性を併せ持つために、従来の精神分析的技法の順応だけでは対応しきれない困難な事例が増えているという認識が拡がっています。

自閉スペクトラム症という概念は、自閉症の中核群と健常群を結ぶスペクトラムという概念であり、自閉症特性と非自閉症特性との併存することは元より想定されているものであり、衣笠が提唱した「重ね着症候群」もそうした有り様を端的に提示しているものでした。

 来年度のシニアコースでは「精神分析的臨床で出会う発達障害」という年間テーマで、前半6回でカナーからASDまでの精神医学的な流れと精神分析に於ける発達障害に関する業績を押さえ、後半6回で現代の英国のASDへの精神分析的アプローチ、ASDとトラウマ、養育環境とADHD、付着同一化と現代の若者論、重ね着症候群と大人の発達障害という構成で、事例を交えながら理解を深めていきます。

来年度も引き続き、第33期より採用してきたビデオ会議システム「Zoom」によるハイブリットセミナー方式(会場・オンライン同時開催)を採用します。

 期間  : 2025年4月~2026年3月の12回 原則第三日曜日(12月は第二日曜日、3月は変更の可能性)の開催
       ジュニア・コース9:00~12:10  シニア・コース13:00~16:50
 会場  : 名古屋駅前「ウィンクあいち」

 参加資格: 医師・臨床心理士・公認心理師・家裁調査官・児童相談所職員・臨床系大学院生、その他守秘義務のある方
 受講料 : シニア・コース6万円、ジュニア・コース4万円、両コース並行受講8万円。
 主催  : 東海・中部精神分析セミナー事務局 小泉規実男●・早川すみ江●・浅井真奈美●・大津直樹・石川佳奈

※●は日本精神分析学会認定SV

シニア・コース   ※13時から講義、15時から症例・事例検討、17時終了。
  (講師・助言) 
2025年4月20日「発達障害と精神医学-カナーからASDまでの精神医学的位置づけ」木部則雄先生①
5月25日「クライン、ビックの業績-ディックを中心として-」〃②
6月29日「メルツァー、タスティンの業績」〃③
7月6日「ウィニコットの業績と見解」〃④
8月24日「狼男について-発達障害とパーソナリティ障害」〃⑤
9月21日「症例報告-出生外傷・トラウマ・感覚過敏・終結」〃⑥
 ※8・9月の事例検討では伊藤和也先生(みとカウンセリングルームどんぐり)に報告頂く。 
10月19日「ASDとトラウマ」平井正三先生①
11月16日「思春期・青年期の発達障害Ⅰ(心的皮膚と発達障害)飛谷 渉先生①
12月14日「思春期・青年期の発達障害Ⅱ(心的生命論からみた発達障害)」〃②
2026年1月18日「養育環境とADHD特性」平井正三先生②
2月15日「重ね着症候群と自閉的パーソナリティー」浅田 護先生①
3月15日「パーソナリティーに自閉的部分を持つ成人症例の臨床」(仮)〃②

※講師所属;木部則雄先生(こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学)  平井正三先生(御池心理療法センター)

飛谷渉先生(大阪教育大学)                     浅田護先生(浅田心療クリニック)

ジュニア・コース 「精神分析的技法論」&初回面接のみの検討 9:00~12:10

ジュニア・コースの7月は早川すみ江(日本福祉大学)・8月は浅井真奈美(小泉心理相談室)が、それ以外は小泉規実男(小泉心理相談室)が講師となります。小泉担当月の講義は、事前に送信される講義ノートを予習し、私見を持って講義に臨むことを前提として講義を行います。「初回面接のみの検討」は小泉担当月のみ10:50~12:10に行います。非言語的交流過程を含んだ初回のみの詳細な面接記録の検討を通じて、精神分析的なアセスメントやインフォームド・コンセントの仕方、精神分析的面接への導入の仕方を学びます。終了後24時間以内に「自由連想風レポート」を送信下さった受講生にはコメントを返信します。「初回面接のみの検討」は時間枠が短いため、日本精神分析学会認定の事例検討会には該当しません。

2025年 4月20日「オリエンテーション、初回面接のしつらえ方・進め方①」講師;小泉規実男
5月25日「面接記録の書き方と物想う心」「初回面接のしつらえ方・進め方②」
6月29日「診断面接の進め方」
7月6日「子どもの精神分析的心理療法の基礎理論」講師;浅井真奈美
8月24日「子どもの精神分析的心理療法の技法と実践」講師;早川すみ江
9月21日「治療契約の仕方と治療構造論」 講師;小泉規実男
10月19日「解釈技法論」
11月16日「転移と抵抗の理解と釈解の仕方」
12月14日「逆転移の理解と解釈の仕方」
2026年1月18日「夢の取り扱い方と解釈」
2月15日「終結・中断・転移性治癒」
3月15日「精神分析的SVの目的、その他」

日本精神分析学会予演会

2025年11月に新潟で開催される日本精神分析学会本大会で発表される演題発表の予演会を行います。受講生であれば参加自由です。

個人スーパービジョンのマネージメント

精神分析的スーパービジョン・スーパーバイザー、個人分析などの訓練に関する相談、情報提供、仲介を希望される受講生にマネージメントを無料で提供しています。希望者は事務局までお申し込み下さい。

訓練スタッフ制度

日本精神分析学会認定精神分析的心理療法士又は認定スーパーバイザーの資格取得を目指す臨床心理士が、精神分析的な治療構造(週1回以上;45~50分)で任意の学会認定スーパーバイザーの指導の下で継続的な精神分析的心理療法を実践する場を確保するため、セミナー事務局である小泉心理相談室を活用して私費面接(3000円/1回)を行う独自のシステムで、2019年から行っています。詳細は事務局までお問い合わせ下さい。また皆様から、訓練スタッフが担当するケースをご紹介頂けますことを切に願っています。

スーパーバイザー・ミーティング

日本精神分析学会認定スーパーバイザー、認定精神分析的精神療法医・心理療法士を有しておられる方、もしくは実際に精神分析的スーパービジョンを施行しておられる方を対象とします。クローズドで年一回程、セミナー終了後2時間程度行います。内容は、パラレル・プロセス等の文献研究、バイザー経験報告、今困っている問題などを巡る自由討論などです。

《お申込み方法》
お申込みは郵送かメールで受け付けます。必要事項に記載漏れがないようご注意下さい。締め切りは3月末日。受諾の可否・受講料銀行振込方法・参考文献・Zoomによる受講方法等につきましては,仮受諾返信メールにてご連絡させて頂きます。

《事務局》
 〒446-0031 愛知県安城市朝日町2-1東海中部精神分析セミナー事務局
       Tel;0566-77-5677
       E-mail;koizumi@ksinri.com

 ※日本臨床心理士資格認定協会の研修証明は基準に基づいて申請します。欠席者への講義録音テープは事務局内でのみ貸出可です。